蔵の建具
古い蔵の建具を修復しました。文化財に指定されている大きな屋敷の一角にある蔵。
その建具は6枚あり、そのうちの4枚は修復が必要で、残り2枚は立て付けが悪く
動かない状態でした。
文化財なので、新しくするのではなく、元の形をどう復元するかに結構悩みました。
この引き分け戸は下框が虫食いと雨ですでにボロボロ。
悪い個所を取って地松を張り付けて目立たないように修繕できたかな。
この建具は、鴨居が下がってしまって、動かない状態。
専用ジャッキで取り外して、鴨居があたる個所を削って動くようにしました。
問題はこの建具、すでに横框と下框が腐って無い状態。
分解してみると、他の個所もほとんどが腐っていて、新しく材を交換しないといけない状態でした。
出来るだけ、元のままという条件だけどこういった場合はまず使えるようにすることを優先して、
ダメな部材は交換しました。
鍵をかける金物もぴったりあうように取り付けます。
どう作るかではなく、どう直すかは、新しく作るよりの倍以上時間が必要。
だけど、その努力後が見えないほどいいとされる仕事なので、
終えた後の達成感は結構薄いんだな。