椅子に座って茶の湯をたしなむスタイルの立礼式、
その茶会で使われる家具の注文をだいぶ前か頂いていました。
この話をもらった時は、うれしいよりも不安でした。
茶道をろくに知らない私につくれるだろうか?
でも、型にはまった物でなく新しいスタイルの家具にしてほしいという要望で、
それならばと引き受けました。
納期は特にもうけないで、満足できるデザインができるまで何度も
お客さんと打ち合わせしあました。
要望は茶を点てる立礼卓とお客さんが使う机と腰掛で
1、真黒な家具が支流、それを変えたい。
2、日本の木を使った、木材の質感を楽しめるもの。
3、一回に10人、それだけの人数が入れっても大丈夫なサイズに。
ということでした。
まず、材料探し。
当社在庫の中から使う予定だったけど、理想な形のものがない。
色々探してようやく福岡の材木屋にあった山桜に決定しました。
皮がついて、板目が力強い木目で理想通りです。
机と腰掛は、白い木の栓を使って作ることに。
次に製材。
机と腰掛も、板をはがないで一枚板を使います。そこで、
おおきな幅は製材所に行って切ってもらいました。
ちなみに、この製材所は今年に3月に閉鎖することにりました。
技術がすばらしき、これまで無理難題を応えてくれました。そんな場所がなくなることは本当に寂しいです。
材が揃えば制作開始。
反り返った天板を鉋で平らにしていきます。桜は堅い。
意匠になるよう木の皮の部分を残して使います。
皮は年数が経てば、はがれてしまうので、接着剤で貼り付けます。
このゴツゴツ感がいい感じ。
完成して、納品です。お客さんとその家族、お茶の先生も立ち会ってくれました。
腰掛にはお客さんの要望で、千鳥の透かしぼりが入ってます。
部屋に家具を並べて配置。皆さんに見てもらました。
「期待以上のでき」「お披露目の日が楽しみ」と喜んでくれました。その言葉聞いてほっとしました。
1年前に注文を頂いて、随分とお待たせしました。
この仕事で、色々な学びがありました。注文していただき有難うございました。